ウチは共働きなので母乳育児中もパパと娘だけでお留守番ということが何度かありました。
その時に初めて知ったのが、母乳の冷凍保存。
いろいろ大丈夫なの?って不安がありましたので、疑問に思ったこと調べたことを元に、今回は扱うパパの方が気を付けなくてはいけないことをまとめてみました。
母乳を冷凍すると栄養はどうなるの?
母乳には子供の成長に必要な栄養がたくさん含まれています。その中でも三大要素ともいわれているのが、糖・たんぱく質・脂質。そのほか、微量栄養素のビタミン、ミネラル、そしてホルモン、酵素などの生体物質がバランス良く含まれているのです。
冷凍保存すると、これらの栄養素はどうなってしまうのか疑問ですよね。
これは赤ちゃんの栄養に大切なことだったので、巷のネット情報だけでは信用できず「搾母乳の解凍方法による免疫・栄養学的検討」という慈恵医大誌の実験資料を参考にしました。
この実験では三大要素とされる糖・たんぱく質・脂質とリパーゼという酵素について、電子レンジや湯温(70℃以上)で解凍した場合と、40℃以下の流水で解凍した場合の栄養素の変化を比べています。
リパーゼは聞きなれない名前ですが、新生児のエネルギー供給源として重要な脂質を分解する酵素、細菌やウィルスに対して免疫を保有しています。
結果としては、40℃以下の流水で解凍した場合であれば、1ヶ月の冷凍保存でも免疫学的、栄養学的な損傷はなかったのですが、解凍方法が電子レンジや湯温(70℃以上)たった場合は、母乳中の栄養素は以下のように著し低下するという結果になっています。
・リパーゼ 100分の1程度まで減少
・糖 ほとんど変化なし
・総脂質 4分の1程度が減少
・総コレステロール 半分程度まで減少
・たんぱく質 2割程度上昇
母乳中の脂質は、乳児に必要なエネルギーの約50%を供給する重要な栄養源であり、必須脂肪酸や脂溶性ビタミンなど、成長に欠かすことのできない成分の供給源になっています。
解凍方法については、あとでもう少し詳しく説明しますが、時間がないから、面倒だからと適当に扱わず、母乳を扱う時は十分注意しながら扱うことが大切ですぞ。
搾乳時の注意
これはウチのママが言ってたんですが、搾乳するにはちょっとしたコツがあるみたいです。
まず素人はいきなり乳首をいっちゃうのでダメ(なんの素人かわかりませんが...汗)いきなり乳首周辺を押しても出るもんじゃない、まずはおっぱいを揉みほぐすことが重要。
そして出すときは乳首の外側を押すようにすること。出ないようなら、押す位置をずらしてみれば出やすいところがわかり、コツが掴めてくるということです。そして、出てきた母乳は直接冷凍パックへ入れ保存。
母乳の保存期間
母乳には微生物を分解・処理する生きた細胞がいます。粉ミルクなんかは室温でおいておいたら腐敗していきますが、母乳は生きた液体なので腐敗しにくいです。そのため、3~4時間は室温でも大丈夫と言われています。
ただ、出来れば冷蔵庫にいれるようにした方がより安心できるかと思います。
冷凍する場合は、すぐに冷凍庫にいれるようにしてください。
室温 4時間以内
冷蔵 24時間以内が望ましが8日ぐらいまでもつ
冷凍 1ヶ月ぐらい
母乳の解凍方法
① 母乳は冷蔵庫での自然解凍か、保存パックを37.0℃以下の流水にさらして解凍します。
② 母乳を温める場合は体温以上(37.0℃程度)に温めないようにしましょう。
③ 電子レンジは温まり方にムラが出るので使用しないようにしましょう。
④ 母乳をあげる時には、母乳ボトル/母乳保存パックを優しく振り、分離した乳脂肪を混ぜ合わせてください。
解凍した母乳は24時間以内に処分するようにしてください。
参考:千葉県こども病院 専門・認定看護師会だより 2013.11 vol.10.
冷凍母乳によくある疑問
冷凍パックは普通のジップロックでもいいの?
母乳用の冷凍パック高いのでよくジップロックでいいの?なんていう質問を目にしますが、冷凍でも菌は繁殖していることを考えるとちょっと不安。大切な子供のことなのでそこはケチらずにいこうよ。というのが私の本音です。
ちなみに保育園に預ける場合は専用の保存パックでないと受け付けてもらえません。
一度溶けたものを再冷凍しない
衛生上、一度溶けたものを再冷凍せず捨てるようにします。生ものも一度解凍したら再冷凍しませんよね。せっかく搾乳した母乳を無駄にしたくないと思う場合は、小分けにしておくといいですよ。
解凍したものを赤ちゃんが飲んでくれない
これは人によって違うと思うんですが、搾乳時の母乳の味がおかしかったり、保存している経過で味が変わってしまうことがあるようです。飲んでくれない場合は、自分で一度味見してみて気づくことも多いらしいです。